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『パフリングス』誕生物語 - 前編 -

2011年11月25日

こんばんは、ドロシーです。
「How the Pufflings Came to Oz!」の日本語訳を2回に分けてお届けします。


『パフリングス』誕生物語 - 前編 -


Ozランドでは、何ごとにも勝る一年に一度の祝日があります。それはOzma女王の誕生日です。ピクニックや花火、パレードやコンサートがOz中で催されますが、その中でも最も盛大なパーティーはOzma女王ご自身が主宰するものです。

このパーティーは、エメラルドシティーにある光きらめく宮殿で行われ、ゲストがOz全土から訪れます。Ozランドの女王ですので、Ozma女王は本当に素晴らしいパーティーを執り行うことができますが、最も忘れることのできない出来事の幾つかは宮殿のパーティープランナーの不断の努力とは関係ないところで起こりました・・・むしろ、このような出来事は、Ozの要人たちによる女王への華やかなプレゼントの効果として行われました。

善き魔女として知られるGlindaは、Ozma女王のために幻想的な魔法を魅せてくれます。ある年、彼女はとても大きくて美味しそうなパイをプレゼントしました。宮殿のスタッフたちは、そのパイを乗せることができる大きさをもったテーブルや、そのパイをゲスト全員に切り分けて差しだす皿を準備するのに悪戦苦闘しました。王室の給仕長がそのパイに入刀したとき、趣向を凝らした衣装を身にまとったサルたちのオーケストラがパイ皮を破って現れ、大きな宴会テーブルに沿うように並んで踊りはじめました。そして、サルたちのサイズに見合った銀のトランペットを吹きながら複雑な曲芸を披露して、"ハッピー・バースデー"をダイナミックにパフォーマンスしたのでした。

実は、そのパイはとても評判がよく、翌年のOzma女王の誕生日が近づいていましたので、Glindaはまたデザートにしようと思っていました。しかし、どのような魔法にするかはまったく決めかねていました。Ozma女王は、春一番に咲いた草花を鑑賞するために素晴らしい宮殿庭園に彼女を誘って、二人一緒に小道を散策しました。Glindaは、その間もずっとアイデアが閃くことを期待しながら、咲き乱れた木々に見惚れていました。

エメラルドシティーの宮殿庭園が私たちの国にある庭園と同じようなものであると想像しないでください。Ozでしか育たない花が沢山あるのです。例えば、そよ風が吹くと静かに鳴る大きな黄金のベルの花、色鮮やかな房が実った濃いパープルグレープの花(その房はそれぞれ、冷たい泡だったグレープ薬で満たされた小さなカップの形をしています)、そして、茎が高く伸びたダウニーグリーンのOzの花(Oz王国の紋章)などです。これらの花はどれも美しいものでしたが、Glindaにとっては、緑に覆われた広大な芝生には何かが足りない -- Ozma女王が君臨する楽しいOzにしては庭園が静かすぎる -- ような気がしました。

エメラルドシティーを去るまえ、Glindaは王国の菓子職人と誕生祝賀会に向けた彼のプランについて話し合いました。その日、彼女が王室のキッチンから出てきたときは、Ozma女王の誕生日に何をプレゼントするかについて迷いがなくなっていました。


Oz王室歴史官
©2011 Ozimals, Inc.



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Posted by Dorothy Galewind at 00:00│コメント (0)物語
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